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2025/07/10 20:03
服は語らない。
ただ、沈黙のなかで何かを告げている。
それがどこで生まれたのか、
誰の手で縫われたのか、
なぜそこに汚れがあり、ほつれがあるのか。
理由を聞かなくても、
なぜか、心が動くことがある。
意味を知るよりも早く、なにかが響いてしまう。
それは“自分”の感情なのか。
それとも、服に宿った誰かの記憶なのか。
服は、鏡のようでいて、
鏡よりも不確かだ。
問いを返すように、
沈黙の中でなにかが揺れている。
――なぜ、服が好きなのだろう。
答えは、いつも途中にある。
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REMAKEBYKという余白
REMAKEBYKの服もまた、完成を目指していない。
誰かが着ることで、はじめて意味が生まれる。
過去の断片と、いまここにある身体が、
静かに重なりあう場所。
壊された布、脱ぎ捨てられた日常、
名もなき記章、剥がれかけたロゴ。
すべては、“あなた自身”の物語を引き出すためにある。
私たちは「作る」のではなく、
ただ、“問いのかたち”を縫っている。
その服が、誰かとの対話を生むなら、
そこに宿るのは、語られなかった自由かもしれない。
