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2025/10/23 22:53
コロナが明け、人々は再び外へ出て、街を歩き、
「明るい未来」を信じて服を買った。
しばらくのあいだ、世界には確かに熱があった。
けれど、その回転は想像以上に早く、
数年が経った今、穏やかな疲れが漂いはじめている。
「なにをそんなに追いかけているんだろう」
「そもそも、こんなに服って必要なんだっけ」
そんな声が、少しずつ増えている。
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REMAKEBYKの服は、
流行や季節の速度とは無関係に存在する。
過去の素材を解体し、
現代の輪郭を与えるその行為は、
“新しくつくる”というよりも、
“残す価値を見つめ直す”ことに近い。
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阪神でのpopupでも、その空気を感じた。
「なんとなく買う」人は減り、
一方で、自分の感性を確かめたい人、
“なぜこの服を選ぶのか”を
言葉にできる人が増えている。
会話の中で、その熱が服を通じて伝わる瞬間があった。
その数は決して多くはない。けれど、濃い。
そして、そうした少数の熱は、
ゆるやかに、しかし確実に広がりを見せている。
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服を選ぶことは、
自分の価値観を選ぶことでもある。
それは“消費”ではなく、“対話”に近い。
素材の記憶と、つくり手の手跡と、自分の感性。
その三つが交わる瞬間に、
ひとつの服が“選ばれる”のだと思う。
REMAKEBYKは、その対話の傍らに在りたい。
“なにを着るか”ではなく、“なぜ選ぶか”。
その選択が、あなたの輪郭をつくっていく。